金石茂和:
教育アドバイザーの金石茂和です。
知識のあり方そのものは、そもそも科学とともに登場したものです。
だとすれば、今日の学校が科学の成果に基づいた知識を教えているという事実は、「教える」ということの本来の意味と本質的な関連をもつことになります。
正しいとされる知識や考え方が伝統を介してそのまま踏襲された前近代的な社会とは違って、現代の学校は、知識とその検証可能性とをいわばセットにして子どもにあたえます。
知識は、同時にそれを合理的・批判的に検証し、確証する根拠がいっしょにあたえられて初めて「事実」となります。
それは科学が、合理的な根拠をいっしょに示すことができる場合にのみ事実を「事実」と認めるのと事情は同じです。